診療科目 歯科 矯正歯科 小児歯科 口腔外科 TEL 03 (3223) 4182(良い歯に) 
 さいとう歯科 高円寺診療所 JR中央線 高円寺駅 北口から徒歩6分 北中通り商店街の西端、高円寺北三郵便局の隣 
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鹿児島 3/ 6--3/15  ( 10日間) (屋久島・小杉谷〜永田岳〜宮之浦岳〜栗生,開聞岳)
 大学のサークル仲間4人で、九州最高峰の屋久島に行きました。  後年に世界自然遺産に指定されてからは賑わうようになった屋久島ですが、当時は観光客も登山者も少なく、人気の少ない深山の雰囲気満点の山でした。
 東京から北九州までおよそ24時間かけて各駅停車を乗り継ぎ、門司駅の軒先で一夜を過ごし、翌日は特急で鹿児島入りしました。  そして港の待合室で寝て、翌日に船でようやく屋久島に辿り着きました。
 また、帰りは九州出身の1人と別れて3人で帰る時に、3人の合計の所持金が僅かしかなく、東京までいかに食費を浮かせて帰るか、若干サバイバルゲームの観がありました。

 青文字の文章は、大学のサークル機関紙より、氏名を頭文字をイニシャルにする等、一部改変して引用。

- 屋久杉(縄文杉) -

 宮之浦岳(みやのうらだけ)は、標高1,936mで九州地方の最高峰。 永田岳(1,886m)、黒味岳(1,831m)とで屋久島三山と言われる。  海岸沿いの人里からは姿を望むことが出来ず、山の上か海上からしか見ることが出来ない。
 地質は花崗岩からなり、山上では侵食された奇岩が多く見られる。  植生は山頂部は風衝草原で、その下に屋久杉の多い樹林帯が広がる。


3月 6日(土) 晴時々曇
 私とMの二人が東京駅を出発したのは3月6日23時25分であった。
 この日の夕方、馬場にて二年有志によって、この春就職するKちゃん、Kさんの二人の壮行会が行なわれていた。  同じ日の夕方、S1は熊本の実家にいた。 同じ日の夕方、S2は大分の九重山中にいた。
 壮行会を終えたあと、我々二人は九州を目指して大垣行の鈍行列車に乗ったのである。

 この列車について一つのエピソ−ドがある。
 昭和39年に東海道新幹線が開業した時、当時の最長距離鈍行(東京−姫路)が廃止されることになった。  それを知った鉄道ファンや沿線住民が反対運動をくり広げ、名古屋出身の国会議員を通して、当時の運輸大臣、事務次官を説得し、ようやく東京−大垣に短縮して再編されたのである。  それ以後、この大垣行を一番列車とする東海道・山陽・鹿児島本線の鈍行乗り継ぎ旅行は、貧乏学生の九州旅行のシルクロ−ドとなったのである。


 家 14:45…14:50 駅 14:52-(各停)-駅 (…図書館)-21:55 東京 23:25-(JNR/各停 東京発大垣行 447M)(車中泊)-

3月 7日(日)
 7日の朝、名古屋を過ぎた辺りで目覚めた。
 大垣で乗り換え、神戸で朝食、そして乗り換え。  明石、姫路、岡山、広島・・とひたすら乗車、そして乗り換えの繰り返し。
 特に用もないのに途中下車をしては入場券を買ったりスタンプを押したり、写真を撮っていた高校の鉄研時代を思い出す。
 車中で二人はひたすら買ったあるいは借りた本を読み続ける。  時々顔をあげると、そこには見飽きたMの顔がある。
 「可愛いい女の子との二人旅だったらなあ・・・」
 たまに視線が合い、言葉を交わすが、考えていることはお互いこんなもんだろう。
 日没近くになって大竹駅に停車。 偶然か、例の黄色のIBルック、すなわちKスタイルがホ−ムを歩いていた。  Mが笑う。 「あいつは小倉を田舎というが、ここはもっと田舎じゃないか。」 大竹の次は岩国。 「やっぱり田舎だ。」
 徳山で夕食、乗り換え。 下関で乗り換え、22時59分門司着。 この日は門司港でステビバ。
 Mにとって初めての九州。 私にとって3年ぶりの九州。


 -(JNR/各停 東京発大垣行 447M)-06:59 大垣 07:15-(JNR/各停 大垣発西明石行 749M)-10:35 神戸 11:35-(JNR/各停 米原発西明石行 757M)-11:56 明石 12:01-(JNR/新快速 京都発姫路行 3637M)-12:32 姫路 12:35-(JNR/各停 姫路発糸崎行 453M)-14:04 岡山 14:17-(JNR/各停 ?M)-17:10 広島 17:30-(JNR/各停 ?M)-19:18 徳山 20:30-(JNR/各停 広島発下関行 3521M)-22:35 下関 22:47-(JNR/各停 豊岡発門司行 831)-22:55 門司 23:05-(JNR/各停)-23:12 門司港駅

3月 8日(月) 晴のち曇
 一番列車で博多へ。 6時26分博多着。 熊本のS1の家 へTel。 7時05分発の特急「ありあけ1号」で西鹿児島へ向かう。  さすが南国。 車内は既に僅かながら冷房をしていた。
 ところで、ここで一言。 「九州は春に限る。」 夏はむちゃくちゃ暑いので当然だが、冬の九州は寒くて南国らしからず、つまらない。  私が九州に初めて来たのは高二の冬でした。 その間をぬって、阿蘇・霧島に登ったのですが、阿蘇では雪が降り、霧島では樹氷を見ました。  その経験もあって、今回は完全な冬山装備で行ったのです。
 12時02分、西鹿児島着。 ここでS1と合流。 一本後の列車でS2も到着。 市内で昼食後、買出。
 県庁の近くで夕食の後、この日は鹿児島港の待合室の下で寝る。


 門司港 04:49-(JNR/各停 門司港発熊本行 123M)-06:26 博多 07:05-(JNR/特急 ありあけ1号 1001M)-12:02 西鹿児島 (買物) 15:15-( )-15:30 市役所-15:40 名山桟橋、待合室泊、就寝 22:30

- 宮之浦岳(右)と翁岳(左) -

3月 9日(火) 曇
 8時出航の船で島へ渡る。 山へ登りに船で行くというのも珍しい。 船はゆっくりと鹿児島湾を南下する。  しばらくすると右手に開聞岳が見えてくる。 さらに行くと左手に佐多岬が見える。これを過ぎると船は太平洋上に出る。
 「波が高くなりましたので、歩行その他にご注意ください。」 船内放送が言う。  洋上に出た辺りから、かすかに見えてきた屋久の島の形が、次第にはっきりとしてくる。 4人は甲板の先に座って島を眺める。
 船が島に近づくにつれ、洋上アルプスの全貌が明らかになってゆく。  「あれが宮之浦そっちは翁、あれは永田。」 そうしているうちに船は港に徐々に近づく。
 港に近づくと、中央山岳は前山に隠れて見えなくなる。  つまり、この島は凸状になっており、海岸に沿った里から中央山岳は見えず、逆もまた同じである。
 12時30分、宮之浦港着。ここからタクシーで楠川へ向かい、そこから山へ入った。  これはS2の強い要望で、海岸から海岸へ、島を縦断したいということでコースを決めた。
 この日は小杉谷でC1。


 起床 06:20、乗船 07:40、名山桟橋 08:00〜(フェリー)〜12:30 宮ノ浦港 13:00-13:10 楠川 13:15…(徒歩 45分)…14:00(休憩)14:10…(徒歩 45分)…14:55(休憩)15:10…(徒歩 60分)…16:10 白谷山 16:25…(徒歩 60分)…17:25 小杉谷小屋 17:35…(徒歩 5分)…17:40 小杉谷△、就寝 20:50
本日の歩行時間計 3時間35分

3月10日(水) 晴
 この日は屋久杉を鑑賞しながら高度を稼ぎ、永田岳ピストン、永田岳と宮之浦岳の分岐でC2。

 起床 04:40、小杉谷△ 06:35…(徒歩 50分)…07:25 大株歩道入口 07:35…(徒歩 15分)…07:50 ウィルソン株 07:55…(徒歩 40分)…08:35 大王杉 08:50…(徒歩 30分)…09:20 縄文杉 09:35…(徒歩 55分)…10:30(休憩)10:40…(徒歩 45分)…11:25 第二展望台 11:55…(徒歩 40分)…12:35 アブナ岩 13:05…(徒歩 25分)…13:30 宮ノ浦・永田分岐△( 14:00…(徒歩 35分)…14:35 永田岳 15:15…(徒歩 25分)…)15:40 分岐△、就寝 20:50
本日の歩行時間計 6時間00分

3月11日(木) 晴
 この日は宮之浦岳に登頂。 そのまま林道を走って下山、栗生海岸へ。
 バスで尾ノ間へ向かい、国民宿舎の温泉に浸かって、建物の裏でC3。
 肝心の山行記は数行で終わっているが、気づいたこと。
 宮之浦は完全に夏山であった。
「雪崩に気をつけろよ。」「雪道で道に迷うなよ。」などの言葉をいただいて、冬山装備で行ったのですが、なんと、ピ−ク付近では虫が鳴いておりました。
 なお、下山途中のヤブコギ道ではピッケルを二本拾いました。  この二本はわたくしとS1の二人が、落し主が現われるまで責任をもって預かっております。 心あたりの方はぜひ連絡ください。


 起床 03:50、分岐△05:45…(徒歩 25分)…06:10 宮之浦岳 06:40…(徒歩 55分)…07:35 投石平 07:45…(徒歩 30分)…08:15 花ノ江河 08:45…(徒歩 55分)…10:40 林道出合 11:00…(徒歩 75分)…12:15(休憩)12:45…(徒歩 45分)…13:30 黒味川・小楊子分岐 14:00…(徒歩 55分)…14:55 栗生 17:05-(バス)-17:35 尾ノ間…(徒歩 15分)…17:50△、入浴 18:30-19:30、就寝 22:10
本日の歩行時間計 5時間40分

3月12日(金) 雨
 尾ノ間よりバスで宮之浦港へ。 9時出航の船で鹿児島へ。 市内で昼食の後、列車で開聞へ向かう。  この日は枕崎駅の待合室でステビバをする。
 夜半、揺り起こされて目を覚ます。 制服の警察官が二〜三人いた。 簡単な職務質問をされた。  学生証を全員が見せると、私の住所欄の「日本国・・・」というところに少しこだわったようだ。 場所柄、密入国者がいるのだろうか。


 起床 05:30、尾ノ間△ 07:05…(徒歩 5分)…07:10 国民宿舎 07:20…(徒歩 20分)…07:25 尾ノ間 07:38-(屋久島交通バス)-08:45 宮之浦港 09:30〜(フェリー)〜13:20 名山桟橋 13:30-13:50 西鹿児島 15:07-(JNR/各停)-16:09 山川 16:12-(JNR/各停)-16:50 開聞 17:45-(JNR/各停)-18:56 枕崎駅、就寝 21:10
本日の歩行時間計 0時間25分

- 開聞岳 -

 開聞岳(かいもんだけ)は薩摩半島の南端に位置する標高924mの火山で、山麓の北東半分は陸地に、南西半分は海に面しており、見事な円錐形の山容から別名薩摩富士とも言う。

3月13日(土) 晴
 開聞駅より開聞岳をピストン。 登り2時間弱。 下り1時間強の空身の散歩だった。 ピ−クには他に誰もいない。 眼下に池田湖、枕崎海岸、はるか遠く北には桜島の噴煙、そして南には屋久島の島影が見えた。
なお、この山はきれいな円錐形をしており、深い谷もないので、登山道は山をぐるっと一周してピークに達している。 下山後、バスと国鉄で西鹿児島へ戻り、13時50分発の特急で博多へ向かった。


 起床 04:20、枕崎 05:10-(JNR/各停 枕崎発西鹿児島行 726D)-06:00 開聞 ( 06:05…(徒歩 95分)…07:40 開聞岳 08:15…(徒歩 75分)…09:30 ) 09:50-(JNR/各停 発行 M)-10:36 山川 10:40-(JNR/各停)-12:05 西鹿児島 13:55-(JNR/特急 ありあけ?号)-18:25 博多 18:35-(JNR/各停)-19:53 小倉 22:16-(JNR/各停 熊本発小郡行 282M)-翌00:05 小郡駅、就寝 00:20
本日の歩行時間計 2時間50分

3月14日(日)
 東京への帰還。 「帰還」とはまた大げさな、と思われるが、理由がある。 熊本でS1は下車し、博多に着いた時は3人だった。
 ここで3人の合計の所持金は調べてみると五千円余りであった。 東京に着くのは早くとも明後日の朝である。
 すなわち本日の夕食、明日の全食事を、それも3人分を、五千円以内で済まさなくてはならなくなった。  数字は何よりも雄弁であるという。
 この時の状況を表で表そう。 13日 夕食 チキンライス 400 夜食 ドーナツ 100(小倉) 14日 朝食 モーニングセット300(広島) 昼食 うな玉丼 500(姫路) 夕食 菓子パン 240(姫路)  この他、小倉駅にてサンドイッチセット1人前を3人で分けて食べた。  (東京に着くのは明後日の朝。 それまでは十分に食えない。 東京は明後日。 飯は明後日。 明後日・・明後日・・)  この頃、はっきりと痛感したのであった。 “やっぱり九州は遠い。”と。


 起床 04:40、小郡 05:24-(JNR/各停 小郡発広島行 432M)-08:37 広島 09:50-(JNR/各停)-12:40 岡山 13:00-(JNR/各停 岡山発姫路行 450M)-14:28 姫路 15:21-(JNR/各停)-18:55 米原 18:57-(JNR/各停 米原大垣発行 562M)-19:33 大垣 19:36-(JNR/各停 大垣発静岡行 1550M)-19:48 岐阜 20:37- (JNR/各停 大垣発東京行 344M)-

3月15日(月)
 4時40分、東京駅7番線ホームに列車はすべり込んだ。  大勢の客と共に、虚ろな目をした二人の男が汚いザックを背負ってよろよろと出てきた。  階段を下り通路に出ると一人が言った。 「じゃあな。」  「それじゃ。また。」もう一人が答えた。旅は終わった。

以上、9泊10日(車中2泊、ステビバ4泊、海岸1泊、山中2泊)
費用
・鉄道:九州ワイド周遊券 18,000円(東京都区内より、学割)
・船:鹿児島←→宮之島 2,100円(片道。周遊券を見せると一割引)
・往復の日数が長いので、この間の食費に注意。 意外とかかり、場合によっては新幹線特急料金よりも高くつきます。


 -(JNR/各停 大垣発東京行 344M)-04:40 東京 04:52-(各停)-06:06 駅 06:07…06:12 家

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