14) C3 大きな虫歯の治療(1)抜髄
(歯の中の神経と血管を取り除く治療) |
できた虫歯を治療せずに放置しておくと、どんどん歯の深くまで進んでいきます。そして、痛みがとても強くなった時には、
虫歯が歯の中の歯髄(神経と血管)にまで及んでいることが多いです。
こうなったら、残念ながら、歯髄を取ることになります。取り除いた歯髄は再生しません。
また歯髄を取り除いた歯は、血液による栄養分の補給がなくなるので、脆く折れやすくなります。
歯髄を取ってから、詰め物や冠を被せた歯は、その後の手入れの状態が悪ければ、いずれ虫歯が再発します。
歯髄を取った歯は、寿命が半分以下になると言われています。
そこで、できるだけ歯髄を取ることがないように、早期発見・早期治療と虫歯予防を心掛けましょう。
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抜髄(歯の神経を取る治療)の手順 |
1)神経を取り除きます。
脇の歯肉から部分的な麻酔をして、虫歯の部分を治療器具で削っていきます。
(前準備としての虫歯の処置)
歯髄は歯の根の中(根管)に、だいたい根の数に合わせて1本の根に1本、つまり前歯は1本、奥歯は2〜3本、根の中心部に入っています。
この歯髄を、細い治療用器具を使って取っていきます。(抜髄) |
2)根管に薬を詰めます。
歯髄を全て取って、根管の中を十分に消毒した後、根の先端まで隙間が空かないようにしっかりと、天然ゴム製の薬を詰めます。(根管充填)
抜髄と充填は1日で終わらせることもありますが、大抵は日を分けて行います。
状態が良くなければ、薬を根管に貼る治療を加えて、3回以上になることもあります。 |
3)支台の形成
根の神経の治療が終わったら、歯の土台を形成します。虫歯で失った歯質が少なければ、金属のピンを利用します。
失った歯質が多ければ、歯型を採って、鋳造した金属の芯(コア)を入れます。 |
4)最終処置
土台が形成できたら、咬み合わせの部分を形成します。
失った歯質が少なければ、プラスチック等で歯の頭の空洞部分を埋めます。
失った歯質が多ければ、冠(金属、セラミックなど)を被せます。 |
上記の治療の保険点数と料金計算
治療期間は、順調な場合で一週間に2回のペースとして、約一か月かかります。痛みや腫れが取れない場合は、さらに長くかかります。
根の治療の点数は、根の数(前歯は1本、奥歯は2〜3本)により異なります。
回数 | 処置 | 解説 | 点数(点) | 金額(円) |
1日目 | 初診 | 虫歯の診察をします。 | 218 | |
| X線写真撮影 | X線写真で虫歯の大きさなどを確認します。 | 48 | |
| (冠除去) | (冠があれば、それをはずします。) | ( 30 / 50 ) | |
| 抜髄 | 麻酔をして、神経をとり、中に消毒薬を入れます。 | 570 ( 220 / 406 ) | |
| 電気的根管長測定 | 微弱電流で歯の根の先端までの長さを計ります。 | 60 ( 30 / 45 ) | |
| 処方 | 痛み止めの薬などを処方します。 | 61 + 3x5 | |
| | 計 | 972 | 2,920 |
2日目 | 再診 | 症状が取れるまで、治療を続けます。 | 42 | |
| 根管貼薬 | 消毒薬の貼り替えます。 | 28 ( 14 / 22 ) | |
| | 計 | 70 | 210 |
3日目 | 再診 | 症状が取れるまで、治療を続けます。 | 42 | |
| 根管貼薬 | 消毒薬の貼り替えます。回数は症状によります。 | 28 ( 14 / 22 ) | |
| | 計 | 70 | 210 |
4日目 | 再診 | 症状の完全な消失を確認します。 | 42 | |
| 根管充填 | 根の管に天然ゴムを詰めて封鎖します。 | 274 ( 186 / 230 ) | |
| X線写真撮影 | 封鎖の状況を確認します。 | 38 | |
| | 計 | 354 | 1,060 |
| | 合計 | 1,466 | 4,400 |
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