23) 歯周病の治療
歯周病は慢性的な疾患なので、治療は長期的なものになります。健康な歯を維持するためには、1)患者さん本人の毎日の地道なブラッシング、そして歯科医院での2)定期検診、3)歯石除去(スケーリング)、4)歯の表面の汚れの専門的なクリーニング(PMTC)、が大切です。
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1)歯肉の状態の検査
歯肉の色調・腫れの程度、歯と歯肉の間の溝 (歯周ポケット) の深さ、出血の有無、歯石の有無、などを検査します。 |
2)歯の状態の検査
歯の本数や虫歯の有無、過去の治療の状況、歯の咬み合わせ、歯の動揺の程度、歯ぎしりがないか、などを検査します。 |
3)レントゲン写真による検査
必要ならばレントゲン(X線)写真を撮影します。
肉眼では見られない歯を支える骨(歯槽骨)の状態を確認できます。 |
4)歯石の除去(スケーリング)
歯石を専門器具で除去します。相当進行している場合は、部分麻酔をして、歯肉の溝の奥の歯石を除去することもあります。 |
5)歯垢の除去と歯磨きの指導
磨き残しの食べ物残渣や歯垢などの歯の表面の汚れを染め出し、ブラッシング指導を行います。
また、汚れを丁寧に除去します(PMTC)。 |
6) 治療終了
医院での専門的なクリーニングと家での歯磨きの指導により状態は落ち着いたとします。
しかし歯周病は再発しやすい病気です。治療後も人により期間は異なりますが、一ヶ月〜半年おきの定期的な検診をお勧めしています。
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上記の治療の保険点数と料金計算
歯周病の治療は少しずつ治していくので、回数がかかります。
初期治療は約一か月の期間です。計算は、歯の本数によって異なります。 (下表は全部の歯が残っていて、全体的に治療する場合です)
回数 | 処置 | 解説 | 点数(点) | 金額(円) |
1日目 | 初診 | 歯周病の診察をします。 | 218 | |
| 歯周基本検査(?) | 歯と歯肉の間の溝の深さや汚れ、出血、歯の動揺の度合いを調べます。 | 200 | |
| X線写真撮影 | 口の中の全体の写真を撮ります。 | 317 | |
| 歯科疾患管理 | ブラッシング指導、歯周病の状態の解説などをします。 | 130 | |
| 歯石除去(上の歯) | 上の歯並びの歯石、歯垢を全般的に取ります。 | 64 + 38x2 | |
| | 計 | 1,005 | 3,020 |
2日目 | 再診 | 前回のクリーニングの予後を確認します。 | 42 | |
| 歯石除去(下の歯) | 下の歯並びの歯石、歯垢を全般的に取ります。 | 64 + 38x2 | |
| | 計 | 182 | 550 |
3日目 | 再診 | 前回のクリーニングの予後を確認します。 | 42 | |
| 歯周基本検査(?) | どれだけ改善されたか、再度の検査をします。 | 200 | |
| 根面清掃(上の前歯) | 歯と歯肉の間の溝の中の歯石などの汚れを、1本1本取り除きます。 | 58 x 6 | |
| | 計 | 566 | 1,700 |
4日目 | 再診 | 前回のクリーニングの予後を確認します。 | 42 | |
| 根面清掃(下の前歯) | 歯と歯肉の間の溝の中の歯石などの汚れを、1本1本取り除きます。 | 58 x 6 | |
| | 計 | 366 | 1,100 |
5日目 | 再診 | 前回のクリーニングの予後を確認します。 | 42 | |
| 根面清掃(小臼歯) | 歯と歯肉の間の溝の中の歯石などの汚れを、1本1本取り除きます。 | 62 x 8 | |
| | 計 | 538 | 1,610 |
6日目 | 再診 | 前回のクリーニングの予後を確認します。 | 42 | |
| 根面清掃(大臼歯) | 歯と歯肉の間の溝の中の歯石などの汚れを、1本1本取り除きます。 | 68 x 8 | |
| | 計 | 586 | 1,760 |
7日目 | 再診 | 前回のクリーニングの予後を確認します。 | 42 | |
| 基本検査(?) | どれだけ改善されたか、再度の検査をします。 | 200 | |
| | 計 | 242 | 730 |
(以降) | | 歯周病が重篤の場合は、さらに歯周外科の手術を行います。 | | |
| | 合計 | 3,485 | 10,470 |
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