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26) 歯磨き粉の選び方 | |
実は歯磨き粉に歯垢を落とす効果はありません。歯についた歯垢を落とすという目的だけであれば、歯磨き粉を使っても使わなくてもあまり効果は変わりません。
メーカーの商品ごとに様々な効果が謳われていますが、歯磨き粉の効果としては、
主に「虫歯予防」、「口臭の予防」、「歯を白くする」、「歯周病予防」、といったものが挙げられます。
歯磨き粉は、正式にいうと「歯磨き剤」です。 キシリトールやフッ素化合物などの薬用成分が入っているものは「医薬部外品 歯磨き剤」という
大げさな名前がつけられています。
大きく分けて二つのタイプ:練り歯磨き剤と液体歯磨き剤に分類されます。
液体歯磨き剤には、練り歯磨き剤にある歯の表面を磨く研磨剤が含まれていないので、歯根部が露出している人や、知覚過敏がある人には、
この液体歯磨き剤がよいと言われています。(最近では、一部の練歯磨き粉の中にも、研磨剤が含まれていないものがあります)
歯磨き粉の役割
歯磨き粉の基本的な役割は、歯の表面についた歯垢(プラーク)や食べ物の色素を落とす事、ミントやメンソールなどの香りで息を爽やかにして
口臭を消す事などが挙げられます。
歯の表面の歯垢(プラーク)や食べ物の色素を落とす際には、練り歯磨き剤に多く含まれる研磨剤が必要ですが、これを使って長時間歯磨きをすると
歯肉を痛める可能性があります。
長い時間の歯磨きをする時は、歯磨き剤を付けずに行い、全てを磨き終わった後、最後の仕上げとして歯磨き剤をつけてブラッシングをするようにしましょう。
そうすれば、歯垢(プラーク)の除去と歯の研磨、さらに口臭を消すことが出来ます。
最近では、フッ素入りの歯磨き剤も出ています。
フッ素化合物は、歯の強化につながり、虫歯で歯が溶けるのを防ぎます。
医院で定期的にフッ素化合物を歯に塗布するのもこれと同じ効果を狙っています。
他にも口内の除菌効果をうたった洗口剤も見かけます。
テレビのCMなどでは、それで口をすすぐだけで除菌ができるように言われていますが、歯垢(プラーク)は口ですすぐだけでは落ちません。
よって、洗口剤は歯磨き前に使用して歯磨きの効果を上げるか、歯磨き後に使用し、口内をさっぱりとさせる用途で使用した方がいいでしょう。
歯磨き粉の市場シェア
現在、歯磨き粉は色々な会社からたくさんの種類が発売されています。
歯磨き粉のシェアとその会社の代表的な商品は以下の表のようになっています。(2006年の資料です)
歯磨き粉のシェア 参考:CSRランキング by NPO法人・宇宙船地球号 |
| 会社名 (シェア) | 代表的な商品 |
1位 | ライオン (32.2%) | クリニカ、デンター |
2位 | 花王 (19.0%) | クリアクリーン |
3位 | サンスター (18.0%) | GUM、Ora2(オーラツー) |
4位 | アース製薬 (7.0%) | モンダミン |
5位 | サンギ (3.0%) | アパガード |
こうして見ると、代表的な商品はどれもCMで見たことがあると思います。「モンダミン」は正確には歯磨き”粉”ではなく、洗口液 (口に含んですすぐタイプ) です。
シェアが大きい=優れている、というわけではありませんが、これらを参考にしたり、試行錯誤したり、実際に利用している人からの感想を聞くなどして、自分にあったものを選ぶのも一案です。
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→ 23) 歯周病の診療の手順
→ 24) 家での歯磨きの方法
→ 25) 診療所での歯磨きの方法
→ 27) 歯ブラシの選び方
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