52) 親知らずの抜歯 | |
親知らずは、高校を卒業する18歳以降から生えてくることが多い、一番奥の歯です。
現代人の顎は、遠い昔の祖先に比べて小さくなってきているので、親知らずが生えるためのスペースが十分にはありません。
そのため、親知らずは、いつまでも歯ぐきに覆われて、一部しか生えてこなかったり、特に下の親知らずは横や斜めに生えることがあります。
親知らずは一番奥にあるので歯磨きしづらく、汚れがたまりやすいため、虫歯になったり炎症を起こして、歯肉が腫れたりします。
また、直前の歯を押すので、押された側の歯並びが悪くなることがあります。
← 骨に埋まった横向きの親知らず
親知らずの抜歯を行う上での注意事項 |
・十分体調に注意して行います。
風邪気味だったりしたら、抜歯の予約をしていても、中止します。
・親知らずが深い所にある場合や、骨と癒着していると、抜歯に時間がかかります。
・下の親知らずの根の近くには、太い神経があります。
この神経を傷つけると、麻痺が出ることがあります。根と神経の位置に十分注意して行います。
抜歯後の注意事項
・抜歯の後に、痛みが続いたり、頬が腫れることがあります。
・抜歯した日は、無理をせずにゆっくりお休みください。
・抜歯の翌日あたりまで、唾液に出血が続くことがあります。
・処方された炎症・化膿止めのお薬は、全て飲んでください。
・抜歯後に異常があったら、連絡してください。
・親知らずの状態によっては、当院で行わず、口腔外科専門の病院を紹介することがあります。
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下の完全に埋まっている親知らず抜歯の手順 (最も困難な場合を記します。簡単な場合は不要な処置は省略します)
1)親知らずの周りに十分に麻酔を行います。
2)消毒をしてから、メスで歯肉を切開します。
3)歯肉を切開すると、親知らずの頭の一部と、親知らずを覆っている骨が現れます。
4)親知らずが前の奥歯に引っかかっていて、そのままでは抜けない場合は、歯の頭部と根の部分を横に削って、分割・切断します。
5)頭の部分を先に抜歯します。親知らずを覆う骨が多い場合は、骨を一部削ります。
6)残りの歯の根を抜歯します。 (歯の根が曲がっていたり複数の根が平行でなければ、根を縦に二つに切断します。)
7)抜歯した跡に、歯の破片が残っていないか、異常な出血がないか、骨の中の神経が出てきていないかなど、調べます。
8)歯を抜いた部分に薬を入れ、開いた歯ぐきを元に戻します。
9)最初に切開した歯肉を糸で縫います。
10)縫った糸は、約1週間後に抜きます。
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上記の治療の保険点数と料金計算
回数 | 処置 | 解説 | 点数(点) | 金額(円) |
1日目 | 初診 | 症状を確認します。 | 218 | |
| X線写真撮影 | 歯の状態を確認します。 | 317 | |
| 切開 | 親知らずの周りの腫れを取ります。 | 140 | |
| 処方 | 薬を処方します。 | 61 | |
| 抗生物質 | 腫れを抑えます。 | 25x3 | |
| 鎮痛剤 | 痛み止めです。 | 3x3 | |
| | 計 | 820 | 2,460 |
2日目 | 再診 | 症状を確認します。 | 42 | |
| 伝達麻酔 | 神経のそばに麻酔をします。 | 38 + 7 | |
| 抜歯 | 埋まっている歯を抜きます。 | 1050 + 100 | |
| 処方 | 薬を処方します。 | 51 | |
| 抗生物質 | 抜いた部分の腫れを抑えます。 | 25x3 | |
| 鎮痛剤 | 痛み止めです。 | 3x3 | |
| | 計 | 1,372 | 4,120 |
3日目 | 再診 | 症状を確認します。 | 42 | |
| | 計 | 42 | 130 |
| | 合計 | 2,234 | 6,710 |
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